相続お役立ち情報

遺言による不動産の名義変更

被相続人が遺言書を残しており、相続財産に不動産がある場合には、遺言書を用いて相続登記を行います。遺言書での相続登記には少し注意が必要です。

相続登記の原因

相続登記をする際、登記する原因が「相続」であるか「遺贈」であるかで手続き内容が異なります。つまり、遺言書にどの言葉が使われているか次第になります。

  • 「相続人」に対して「相続させる」    → 原因は「相続
  • 「相続人以外」に対して「相続させる」  → 原因は「遺贈
  • 「相続人」に対して「遺贈させる」    → 原因は「遺贈」 (但し、一部例外あり)
  • 「相続人以外」に対して「遺贈させる」  → 原因は「遺贈

上記以外の言葉が使われている場合には慎重に検討することが必要です。原因がどちらかにより、以下のように手続きが変わります。

登記する原因が「相続」である場合

相続人が単独で登記申請(単独申請)を行うことが可能です。

登記する原因が「遺贈」である場合

登記申請の原則通り、不動産を渡す側(義務者)ともらう側(権利者)の双方で申請する必要があります(共同申請)。遺言執行者が指定されている場合には遺言執行者が義務者となって申請をします。申請方法が異なることに加え、登録免許税の税率も異なります。間違って申請すると申請が却下されやり直しとなってしまいますので、事前に確認をするようにしましょう。

相続登記の手続き

また、遺言による相続登記の場合には、遺産分割や法定相続での相続登記と比べると被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を集める必要がないため(死亡した事実と被相続人死亡時における受遺者の生存が確認できれば問題ない)、手続き的にいえば楽かもしれません。
しかし、遺言が自筆証書で作成されたものである場合、相続登記を行う前提として広島家庭裁判所等の検認手続きが必要になりますので、かなりの手間と時間がかかってしまいます。しかし、被相続人が残した遺言書が公正証書で作成されたものであれば、すぐに相続登記を行うことができるため、相当手続きが簡略化できます。

なお、余談ですが、受遺者が相続人である場合には、登録免許税は不動産固定資産税評価額の1000分の4ですが、受遺者が相続人以外の場合には、不動産固定資産税評価額の1000分の20となります。相続人以外のものが取得する場合には、相続人の場合の5倍もの登録免許税を払わなければいけないことにご注意ください。

ご自身で判断がつかない・不動産の名義変更の方法が分からないという場合には、まずは広島相続遺言まちかど相談室へご相談ください。不動産の名義変更のサポートを丁寧に対応させていただきます。