相続お役立ち情報

公正証書遺言作成の流れ

2023.04.03

遺言書の種類はいくつかありますが、法律に従った書式でなければ遺言書として効力を発揮することができません。
そのため、自分ひとりで作成する自筆証書遺言や秘密証書遺言の場合、不備がないよう細心の注意を払って遺言を作成する必要があります。
しかし公証役場(広島県内に6ヶ所)で作成する公正証書遺言の場合、公証人がその場で不備がないかチェックしますので、そのような心配が不要になり、法的効力のある遺言書を確実に作成することができます。
また、遺言の原本が公証役場に保管されるため、紛失の心配や、自分が亡くなった後遺言が発見されないなどの心配もありません。

公正証書遺言の作成は自筆証書遺言と比べると、手間も費用もかかりますが、その分自分の希望を確実に残すことができます。

公正証書遺言の作成方法

  1. 2名以上の証人と広島県内の公証役場へ出向く
    公正証書遺言の証人は、遺言による影響を受けない成人であれば誰でもなることができます。遺言者の相続で発生する利害と全く関係がない人であれば、ご友人等でもかまいません。逆に証人となれないのは、未成年者・推定相続人・受遺者・その配偶者および直系血族の人です。
    周囲に証人をお願いできるような人がいない場合、司法書士などの専門家に依頼することも可能です。
  2. 遺言者が遺言内容を公証人に口述
    聴覚や言語機能に不自由な方は、手話による申述や筆談でも可能です。
  3. 公証人が遺言者の遺言内容を筆記する
  4. 遺言者と証人が、遺言内容を確認する
    筆記した遺言は、公証人が内容を読み上げたり、閲覧させたりすることで遺言者と証人が確認します。
  5. 遺言者と証人がそれぞれ署名・捺印する
  6. この遺言が法の下で作成された遺言であることを公証人が筆記し、署名・捺印する

原本・正本・謄本?

公正証書遺言を作成すると、「原本」「正本」「謄本」の3種類が出来上がります。その違いは次のとおりです。

  • (1)原本
    公正証書遺言の原本とは、遺言者ご本人、証人2名、公証人がそれぞれ署名・押印したものです。いわばオリジナルの書面であり、世の中に1つしか存在しないことになります。この原本は、公証役場に長い間保管され、遺言者ご本人には渡されません。
  • (2)正本
    公正証書遺言の原本は、上記のとおり、公証役場に厳重に保管され、遺言者ご本人には渡されないのですが、そうなると、遺言者が亡くなった後に、遺言によっていろいろな手続(預金の払戻しや不動産の移転登記)をしようとしたときに困ってしまいます。そこで、原本と同じ効力をもつものとして交付される写しを、「正本」といいます。
  • (3)謄本
    「謄本」は、正本と同様、原本の写しなのですが、金融機関や法務局での手続の際には、謄本では受け付けてくれないことがあります。遺言者亡き後、遺言書を使って相続手続きを行う相続人や遺言執行者には正本を渡しておくといいでしょう。

広島相続遺言まちかど相談室では、お客様のご状況に合わせた遺言書作りのお手伝いをさせていただいております。広島で遺言書作成に関するご相談は、当相談室へお気軽にご相談ください。