相続手続きの相場とは

相続手続きの相場とは

相続手続きの依頼や遺言書の作成を検討しているものの、費用が高いのか安いのか、適正な価格が分からないので心配、無料相談に行くにもちょっと不安な方もいらっしゃるのではないでしょうか。

それはそのハズですね。相続にしても、遺言にしても、一生のうち何度も経験するものではありませんので、相続専門の法律家に関わってもらうこと自体、慣れている方なんていませんね。

ここでは、相続専門に扱っている当相談室の方で費用について分かりやすくご説明させていただきます。

信託銀行でも同じようなサービスを展開しているようだが、どう違うのか?

まず、遺産相続の業務においては専門家が明確に決まっています。
これは各行政機関が縦割りのように、残念ながら国家資格者もその下部団体にあたるため与えられている権限も縦割りになっています。

  • 戸籍収集と相続関係説明図:行政書士、弁護士 ※不動産があれば司法書士
  • 財産調査・遺産目録の作成:行政書士、弁護士
  • 遺産分割協議書の作成:行政書士、弁護士 ※不動産があれば司法書士
  • 不動産の名義変更:司法書士
  • 預貯金の名義変更:金融機関・代行業者 ※専門の国家資格はありません
  • 相続税の申告:税理士
  • 遺産分割調停:弁護士 ※調停の申立てのみ司法書士

このような役割分担になってしまうのは、それぞれ行政書士法、司法書士法、税理士法、弁護士法にもとづいて誰がどのような業務が出来るかが決まっているためです。
こうした背景もあって、相続手続きを専門に扱う専門事務所では、お客様にご不便をかけないためにも、当相談室のように「行政書士・司法書士」の国家資格が最低限の要件として必要となってくるのです。

こうした役割分担は分かりづらいと思いますが、この観点では、信託銀行に遺産相続の業務をお願いしても、委任状を使って誰でもできる業務※以外については、信託銀行で取り扱うことが出来ません。これは法律違反になってしまうためです。
ですから、結局のところ信託銀行も専門の国家資格者に依頼して手続きを進める形となります。

※国家資格者に認められている法律業務は、一般の個人でも、信託銀行でもお金をいただく業務として扱う事は出来ません。戸籍収集や金融機関資料のみはこれに該当しません。

信託銀行の費用について教えてください

下記の大手信託銀行さんの報酬の例をご欄下さい。

大手A信託銀行の報酬

例えば相続財産が3000万円とするとその2.0%相当の60万円が報酬になります。相続財産が1億円とすると、5000万以下は2.0%ですから報酬は100万円。加えて5000万円を超える部分については1.5%ですから報酬は75万円となり、合計で175万円ということになります。
つまり、財産規模の段階に応じて、報酬パーセントが異なるという事です。

これに加えて、多くの信託銀行では最低報酬を100万円(税別)としていますので、上記の場合でみていくと、下記のようになります。

  • 相続財産3,000万円 → 60万円 100万円 ※最低報酬以下であるため
  • 相続財産1億円 → 175万円

しかし、これだけではありません。一番はじめに相続業務の役割分担をお伝えさせていただきましたが、遺産相続の業務において核となる業務は、法律家の専門業務にあたるため、上記の金額に加えて、以下の計算になります。

  • 相続財産3,000万円 → 100万円 + 司法書士の報酬
  • 相続財産1億円 → 175万円 + 司法書士や税理士の報酬