金融資産の名義変更

金融資産の名義変更

相続が発生すると、被相続人が持っていた不動産や預貯金等は相続人が引き継ぐことになります。しかしながら、引き継ぐためにはそれぞれ手続きが必要となり、被相続人の名義から相続人の名義へ変更することになります。

この名義変更ですが、相続の際には主に「不動産の名義変更」と「金融資産の名義変更」を行うことが多いです。ここでいう金融資産とは、現金や銀行等の金融機関に預けている預貯金、株式、債権、投資信託などのことを言います。

名義変更の手続きを行うことにより、相続手続きは完了となります。ここでは金融資産の名義変更について確認していきましょう。

相続した金融資産の名義変更

相続人全員の話し合いの結果、遺産分割協議書が完成し、預貯金を相続することになったとします。しかしながら実際にその預貯金を受け取るには金融機関に名義変更の手続きを行う必要があります。

金融資産には、現金、預貯金、株式、国債等の債権、投資信託などが含まれています。名義変更を行うためには、主に金融機関等に戸籍謄本や遺産分割協議書等の必要書類を提出して名義を被相続人から相続人に変更します。

詳細は各ページにてご説明いたします。

また相続財産とは別の扱いとなりますが、被相続人が亡くなったことにより、生命保険金、死亡退職金、遺族年金、葬祭費や埋葬費等の手続きのことも考えなければいけない場合があります。

それぞれの手続き先や、提出すべき書類も異なるため手間がかかります。

まずは問合せをしないといけない為、その問い合わせ先がどこなのかも分からないとお困りの方もいらっしゃいます。生前の被相続人のライフスタイルによっても必要な手続きが異なるため、一つ一つ確認して準備をしていきましょう。

預貯金の仮払い制度の新設

遺産分割における公平性を図りつつ、相続人の資金需要に対応できるよう、今回の相続法改正により「相続された預貯金について、相続人全員の同意がなくても、遺産分割協議前に払戻しが受けられる制度」が新設されました。

この制度は、次の2つの手続きにより利用することができます。

  • 金融機関の窓口で直接仮払いの請求
  • 広島家庭裁判所等の保全処分を利用
  1. 金融機関の窓口で直接仮払いの請求

共同相続人のうちの一人が金融機関の窓口で仮払いの請求をする場合は、相続開始時の預貯金額×1/3×その相続人の法定相続分=単独で払戻しをすることができる金額となります。

例えば、1200万円の預貯金があり、共同相続人が配偶者と長男、次男の三人で、長男が払戻しの請求をした場合、1200万円×1/3×1/4=100万円が、長男が払戻しを受けられる金額です。

ただし、上記計算式で算出した金額の範囲内であれば自由に引き出せるというわけではありません。

この改正法の趣旨は、残された人が当面お金に困らないようにすることなので、改正法では、「金融機関ごと(複数の口座がある場合は合算)の上限金額」を省令で定めることとしており、その上限額を150万円(標準的な必要生計費、平均的な葬儀費用等を勘案した法務省の定める額)とする案が2018年9月28日に公表されました。

2. 広島家庭裁判所等の保全処分を利用

仮払いの必要性があると認められる場合、他の共同相続人の利益を害さない限り、家庭裁判所の判断で仮払いが認められるようになりました。

この手続きは、引き出し額に上限はなく、申立額の範囲内で必要性が認められれば、特定の預貯金の全部を取得することもできる点がメリットですが、家庭裁判所への申立てなど煩雑な手続きをしなければならないので、手間と費用と時間がかかるという点や、相続債務の弁済のためなど、仮払いの必要性を疎明しなければならない点がデメリットといえます。

広島相続遺言まちかど相談室では相続手続きに関係する金融資産の名義変更に関しても、お手続き方法のご相談をお受けしております。

相続財産の名義変更は手順を踏んで進めていくことが重要です。遺言書がない場合は相続が開始したことと、ご自身が相続人であることを証明するための戸籍の収集よりまず始めるのが一般的です。

しかしながらこの戸籍の収集の時点でつまずいてしまう方も多くいらっしゃいます。

広島近郊にお住まいの方でしたら、まずは無料相談をご利用いただき、ご不安に思っていらっしゃることをぜひお話しください。相続に関するお困りごとは専門の相談員が丁寧にご説明させていただきますので、お気軽にお問合せ下さい。