相続お役立ち情報

遺留分について

2023.04.07

遺留分とは

法定相続人には、被相続人の遺産を相続することができる最低限の割合が民法の規定によって定められています。この法定相続人が得ることができる最低限の割合のことを遺留分と言います。
被相続人の遺言書によりこの「遺留分」さえも侵害されていた場合、遺留分を主張できることになります。なお、遺産分割協議により相続する割合が決定した場合には、遺留分の請求はすることができません。

遺留分の権利者

ここで、遺留分を請求することが可能な権利者について確認していきましょう。
遺留分の権利者は、被相続人の兄弟姉妹を除く法定相続人になっています。つまり、被相続人の配偶者及び子(子がいない場合は孫)や被相続人の両親(父母がいない場合には祖父母)が該当し得ることになります。以上のような相続人が遺留分を侵害する内容の遺言書がある際には、遺留分の請求が可能になります。

なお、被相続人によって相続廃除や相続欠格者に該当していた場合には、遺留分の権利を有しない場合もあります。

遺留分の割合について

相続人遺留分として取り戻せる割合
配偶者法定相続分の1/2の割合
子供法定相続分の1/2の割合
両親法定相続分の1/2の割合
(法定相続人に配偶者がいなければ1/3)
兄妹姉妹権利なし

遺留分請求の対象

以下では、遺留分減殺請求の対象となる財産はどのようなものなのかを確認しましょう。具体的には、「遺贈」と「死因贈与」「生前贈与」の3種類があるので、順番にご説明します。

遺贈

遺贈とは、遺言によって遺産を分与することです。たとえば、相続権のない孫や愛人、お世話になった人に遺産を残す場合などに利用します。
遺言によって孫や愛人に全部や大部分の遺産を分与してしまったら、本来の法定相続人が遺産を満足に受けとることができなくなるので、法定相続人は遺留分を請求することができます。

死因贈与

次に、死因贈与があります。死因贈与とは、死亡を原因として財産を贈与する贈与契約です。契約なので、遺贈とは異なり、受贈者と贈与者の双方が合意することが必要です。
遺言とは異なり厳しい要式はありませんが、実際には契約書がないと、死因贈与契約があったとは認められないのが普通です。
そして、この死因贈与があった場合にも、遺留分請求の対象になります。

生前贈与

生前贈与があった場合も、遺留分請求の対象になることがあります。
生前贈与とは、贈与者が生きている間にその財産を相続人予定者に贈与する契約です。生きている間に所有権を移転してしまう点が、死亡と同時に移転する死因贈与と異なります。
そして、この死因贈与があった場合にも、遺留分請求の対象になります。

遺留分の算出

次に、遺留分の算出方法について確認していきましょう。
例えば、今回被相続人である夫が、知人に全財産の一切を渡すという内容の遺言書を遺していたとします。夫の法定相続人は、広島在住の配偶者と子2名である場合を想定しましょう。この場合、配偶者である妻と子の2名は遺留分の請求をすることが出来ます。
夫の遺産は3000万円、債務が500万円とすると、遺留分の算出方法は次のようになります。

  • 基礎となる財産
    3000万円-500万円(負債)=2500万円
  • 妻と子2名の合計の遺留分
    2500万円×1/2(遺留分の割合)=1250万円
  • 妻の遺留分
    1250万円×1/2(法定相続分)=625万円
  • 子1名の遺留分
    1250万円×1/2(法定相続分)×1/2(子2名)=312.5万円

上記の算出の通り、妻は625万円、子は312.5万円を最低限相続できる権利があることになります。遺言書により、これを下回る場合には遺留分が侵害されていると言えます。

遺留分が侵害されているか不安だという方は、まずは広島相続遺言まちかど相談室にご連絡くださいませ。広島相続遺言まちかど相談室では相続に関する無料相談も実施していますので、広島周辺で相続にお困りの方は是非ご活用ください。