相続お役立ち情報

特別受益について

2023.04.07

ここでは、特別受益というものを解説していきます。少々専門性の高い部分になりますが、ここで分からなかった点はどうぞお気軽に広島相続遺言まちかど相談室にお問合せ下さい。

特別受益とは

まず、特別受益とは相続人間での相続分について公平を図ることを目的としています。

「共同相続人中に、被相続人から遺贈を受け、又は婚姻、養子縁組のため、若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与価額を加えたものを相続財産とみなし、前3条の規定によって算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除し、その残額を以ってその者の相続分とする」と民法903条で定められています。
ある特定の相続人が生前贈与等によって財産を受け取っていたとしても、その後の遺産分割協議で公平な相続が可能になる道が残されていることになります。

特別受益に含まれるもの

一般的な特別受益の財産の範囲は、下記のとおりです。

1. 婚資や養子縁組の費用
持参金や支度金など、婚姻や養子縁組のために被相続人に出してもらった費用が該当し、これらは原則として特別受益に該当します。ただし、金額がごく少額であったり、被相続人の生前から持っていた資産と生活状況からみて扶養の一部であると認められた場合は、特別受益にはなりません。

2. 教育のための学資
高等教育は義務教育ではありませんが、現在の教育水準から考えるとほぼ義務教育(義務教育に準じたもの)といえます。したがって、大学以上の教育や、留学・留学に近い海外旅行等の費用が「高等教育のための学資」に該当し、原則として特別受益と考えられます。

3. 不動産の贈与
不動産はそれ自体で資産価値のある財産ですから、贈与を受けた人には大変な利益になることが普通です。したがって、不動産の贈与は生計の資本としての贈与と認められる場合がほとんどであり、原則として特別受益に該当します。

4. 金銭の贈与
被相続人の資産収入、社会的地位および生活状況からみて、小遣い・慰労金・礼金の範囲を超え、相続分の前渡しと認められる程度の高額である場合は、原則として特別受益に該当します。

5. 生命保険金
生命保険金は、原則として特別受益に該当しません。
ただし、相続人間の不公平が到底認められないほどに著しいと評価すべき特段の事情がある場合は、特別受益に準じて扱われます。

特別受益を考えた遺産分割協議について

広島に在住の被相続人からある相続人が財産を遺贈、生前贈与等で受け取っていた場合には、遺産分割の際の遺産総額に、これら相続人が受け取っていた財産も加えたうえで遺産分割をすることになります。
この時、既に消費されていた財産も含まれます。この制度により、被相続人の生前に贈与等を受けていなかった相続人も含め、相続人全員にとって公平な遺産分割が可能になります。

ただし特別受益を考えた遺産分割協議を行いたい場合、十分な配慮をもって行うことが大切になります。特別受益の主張がされたことによって、遺産分割で争いになってしまう可能性も一方で存在するためです。相続人にとって公平な遺産分割をする為に特別受益を主張する一方で、円満な遺産分割を行う為には、専門家を第三者を間に挟んで進めていく事を広島相続遺言まちかど相談室では推奨しています。

広島相続遺言まちかど相談室では、相続に強い専門家が丁寧に相続手続きを進めさせていただきます。初回の無料相談では、どのようなご相談でも丁寧にお伺いさせて頂きます。ぜひご活用くださいませ。