相続お役立ち情報

大きな宅地の評価

2023.04.12

※法改正により課税時期が平成30年1月1日以降は「地積規模の大きな宅地の評価」を適用します。それ以前(平成29年12月31日以前)に関しては「広大地の評価」となるので注意してください。

地積規模の大きな宅地の評価

平成30年から税法の改正により広大地の評価が廃止されて、新しく地積規模の大きな宅地の評価という制度が導入されました。これにより広大地の評価よりも、評価基準が明確となりました。

この地積規模の大きな宅地の評価は面積の広い土地全てが対象ではなく、使用できる地区が限られています。また指定容積率が400%(東京都の特別区は300%)以上の地域に所在する宅地は制度を使えないため、大規模なマンション等を建てられるような宅地では適用外ということになります。下記にて要件をまとめましたので確認していきましょう。

地積規模の大きな宅地とは (規模の要件)

地域規模の大きな宅地には以下の要件が定められています。

  • 三大都市圏においては 500㎡以上の地積の宅地
  • 三大都市圏以外(広島等)の地域は 1,000㎡以上の地積の宅地

※上記三大都市圏(主に首都圏、近畿圏、中部圏)の詳しい定義については、国税庁のホームページをご参照ください。

※市街化調整区域(除外される対象もあり)の宅地や都市計画法の用途地域が工業専用地域に指定されている地域の宅地、大規模工場用地なども対象外です。

※指定容積率が400%(東京都の特別区は300%)以上の地域に所在する宅地地積規模の大きな宅地には該当しません。

地積規模の大きな宅地が 適用されるためには(地区の要件)

適用されるのは下記の地域になります。

  • 路線価地域=地積規模の大きな宅地のうち普通商業・併用住宅地区および普通住宅地区に所在
  • 倍率地域=地積規模の大きな宅地に該当する宅地

地積規模の大きな宅地の要件を 満たす場合(計算方法)

上記に記載した要件を満たす場合、国税庁で定めた「規模格差補正率」を用いて計算を行います。

この「規模格差補正率」は土地の大きさに対して減額するために考えられた補正率になります。広大地の評価に比べ計算方法が明確となりましたが、それでも補正率を算出するだけでも不慣れな方にとっては負担を感じるかと思われます。宅地の相続税評価額の算出は専門家にとっても経験がないと簡単には行うことができません。ぜひ相続税を専門とする事務所へご相談ください。

まとめ

本改正で制度の適用基準が明確になったことから、評価額を減額できるケースが増えると見込まれます。一方、これまでの「広大地の評価」は適用できても「地積規模の大きな宅地の評価」は適用できない場合があります。
中小工場地区にある宅地は、他の基準を満たせば「広大地の評価」を適用することができましたが、「地積規模の大きな宅地の評価」は適用することができません。この場合、奥行補正や不整形地補正などの減額補正をしても、ほとんどのケースで評価額が高くなることに注意が必要です。

広島相続遺言まちかど相談室では、協力先税理士と共に相続税に関する様々なお困りごとのご相談をお受けしております。無料相談にてお客様ごとにアドバイスを専門家よりご提供いたします。お気軽にお問い合わせください。