相続お役立ち情報

その他の宅地の評価

2023.04.12

地区の異なる2以上の路線に接する 宅地の評価

異なる2以上の路線に接する広島市の宅地の価額は、正面路線の続する地区の奥行価格補正率及び側方路線影響加算率を使って算出します。

正面路線の判定の方法は、原則として、その宅地の接する各路線の路線価に奥行価格補正率を乗じて計算した金額の高い方の路線とします。また、奥行価格補正率は、通達で、奥行距離別に定められています。

造成中の宅地の評価

造成中の宅地の評価は、その土地の造成工事着手直前の地目により評価した課税時期における価額に、宅地の造成を開始してからその宅地を相続する日までに投下した造成工事費用の現価の80%相当を加算した価額で行います。

  • 造成中の宅地の評価=造成工事直前の地目での評価額+相続開始日までに投下した造成費用現価(※)×80%

※造成費用現価は、埋立費、土盛り費、土止め費、地ならし費等の造成費用のそれぞれの額を相続開始時期の価額に引き直した額の合計額をいいます。

セットバックを必要とする宅地の評価

建築基準法では、原則として道路の中心線から左右に2メートルずつ後退した線が道路の境界線とみなされ、将来、建物を建築する場合はこの境界線まで後退しなければならないとされており、これを「セットバック」といいます。なお、道路の片側が河川、崖、線路のためそれらと反対側の片側にしか後退できない場合には河川等の境界線から4m後退することとなります。

このセットバック部分の宅地の評価は、通常通りに評価した価額から70%相当額を控除して行います。

路線価が設定されていない土地の評価

相続税路線価の評価方法は、「路線価図」にある1㎡単価(千円単位)に、その土地の敷地面積を掛けて算出します。この路線価図の評価額は大きな道路だけではなく、幅員(道路の幅)の小さな道路にもほぼ満遍なく設定されています。
ただ、カバーしきれていない道路もあり、その道路を基準に計算する土地もあります。このような土地は、固定資産税評価額に一定の倍率を掛けて算出します。このため、相続税評価額の算出方法は「路線価方式」と「倍率方式」の2種類があるといわれています。

倍率方式の計算

倍率方式の計算式は、 「倍率方式=固定資産税評価額×評価倍率」

固定資産税評価額は、毎年、固定資産税を支払う際に基準となる評価額です。
広島市役所等から毎年、「課税明細書」が送られてきますが、そのなかに評価額が記載されています。そのうえで、国税局長がその地域の特性や、売買の実情、公示価格と同じように不動産鑑定士の意見をもとに「評価倍率」を決定し、倍率方式の計算方法としています。公示価格のように、不動産鑑定士による調査が必須条項として決められているものではありません。